設立の背景と目的
日本古典籍研究国際コンソーシアム (Global Consortium for Japanese Textual Studies)は、このようにして生まれました。
設立の背景
日本古典籍研究とは
研究対象:19世紀(明治20年代)までの日本で作られたあらゆる書物(これを「日本古典籍」と呼びます)が研究対象です。狭義の「文学」に限らず、歴史、思想、美術、医学、兵学、天文学、和算、農業など、ありとあらゆる内容やジャンルが含まれます。
研究方法:原資料の形態や伝来を調査し、歴史的文脈に即して内容を読み解く、実証的な研究手法を用います。これまでは、あたかも職人芸のように、師弟関係の中で受け継がれてきた側面が強いですが、このコンソーシアム設立を機に、オープンにしていきたいと考えています。
目的:19世紀までの日本を対象に、文字・絵による記録の生成・伝播・保存について調査し、様々に異なる社会・自然環境の中を生きた人々の知識・行動・思考・感性を実証的に考究することで、過去から引き継がれた資料・文化・社会について理解を深めることを目指します。
課題:文理を問わず、多分野からのアプローチ、及び多分野へ向けられたアウトプットが、これからの日本古典籍研究、また人文学研究の発展には不可欠となるでしょう。「日本文学」に限らず、様々な分野からのご参加をお待ちしています。
設立の目的
日本古典籍を対象とした研究と教育の深化・発展のために、国内外の機関が力を合わせて、情報や研究資源を共有できる場をともに構築していくことを目的とします。特に、以下3点について、国内外の研究者・専門職員・学生が協働できる場を作り上げていきたいと考えています。
期待される効果
順不同ですが、日本古典籍研究に関連する以下のような効果が期待されます。
専門的な知識・技能・研究手法の修得機会へのアクセス改善
教材(動画も含む)の共有や共同開発
授業の共同開設による単位認定や共同指導の可能性の模索
複数機関による研究費の拠出
国・地域や分野をまたがる共同研究の促進、学会パネルの組成、イベントの共同企画
学会・学術誌の活性化
デジタルデータやデータベースの活用に関する意見交換や技術の共有
国・地域を超えた実績評価指標の検討
研究成果の社会への還元